ビデオキャプチャの信頼性
2019.04.23
突然ですがビデオキャプチャの話題です。
なんかNTSC時代に似たような話題(http://d4.princess.ne.jp/multimedia/ntsc/)を掘り下げたことがありますが、今度はハイビジョン(HDMI)時代のお話です。

直球に言うと、「ゲームをキャプチャしたときに、それは100%正しく録画されているか」という話ですね。
結論から言うと、よほど気にしてキャプチャしない限りは、たいていの場合は「NO」となります。

さてそれではどういう現象が起きるかというと、
・フレームが欠落する
・フレームが増える(同じ画像が2フレーム記録される)
のどちらかとなります。場合によっては両方発生します。

■その1:ビデオキャプチャが59.94fpsと60.00fpsを正確に認識できない場合
そりゃあ辻褄あわせるのにどこかごまかさないとダメだよね。以上!

■その2:HDMI(映像+オーディオ)
とりあえず計算しやすくするために60.00fpsとします。数字が解りにくいだけで59.94fpsでも同じです。
ところでどうしてテレビは59.94fpsなんて中途半端な値なんだ、って思った人は、地上波アナログカラー放送が始まった頃の話をぐぐってください。どっかに書いてるかもしれません。
で、オーディオの方はとりあえず48KHzとしましょう。

つまりオーディオデータは1秒間に48000個あるわけですね。(ステレオだから96000個だろとかめんどくさいことは言わない。左右ペアのデータが48000個)
なので、60.00fpsだと、1フレームあたり48000÷60=800個のオーディオデータがあるはずです。

しかしこれが実際には、多少の誤差があります。なぜかというと、映像機器とオーディオ機器が別々の場合、それぞれの基準で時間を計るため、そこに誤差が出てきてしまうためです。PCやゲーム機から出力する場合、GPUとサウンドチップが別処理だったりするのでこうなりますね。

HDMIのデータとしては、1フレーム分の画像のあとに、「これがこのフレームと一緒になる音データ」というふうに、「約」800個のオーディオデータが送られてきます。なので、厳密に言うと、画像データとオーディオデータは同時には送信されていません。

さてこれを録画してデータ化するというのは、画像データとオーディオデータをひたすら溜めていくだけです。
するとどうでしょう。オーディオデータの個数が毎フレーム若干変動するので、いつのまにかどちらかが足りなくなってきます。
ここで、オーディオデータが足りなくなった場合、映像を1フレーム捨てることで辻褄を合わせます。
逆に、映像データが足りなくなった場合、同じ画像を2フレーム連続で保存することで辻褄を合わせます。

たとえばキャプチャソフトとして有名どころであるアマレコTVでは、その動作がヘルプに明確に記載されています。
アマレコTV ヘルプ
http://www.amarectv.com/amarectv4/manual/statusbar.html

4.録画情報
の (+) と (-)の説明です。
AVIで保存する場合、1フレーム毎にオーディオデータは何個という情報は持てないため、どうしてもこのような処理が必要になります。

また、mp4形式で直接録画する場合も、ps形式のmp4(AverMediaのほとんどの機種など大体はこの形式)であれば、同様になります。
ただし、ts形式のmp4であれば、1フレーム毎のオーディオデータの個数を保持できるため、このような調整はなく、確実に全フレーム・全オーディオデータを録画できます。
※厳密に言うとこれはps/tsの差分では無いのですが、事実上こうなっています。

■その3:HDMI(映像)+アナログオーディオ
結局のところ、その2と同じです。
アナログオーディオをA/Dコンバーターでデジタル化したあと、その2と同じように映像とオーディオを別々に溜めていきます。
すると、やはり同じ現象が発生するので、AVIもしくはps-mp4の場合、調整が必要になります。







というわけで、AverMediaの単体録画機や、アマレコTVなどのAVI系キャプチャでは、ほとんどの場合において、
フレーム欠落や追加などが起きていることになります。
つまり、世の中に大量にあるだろうそのような機材で録画された大半の動画はこういう観点では信用ならない、ということになります。
どこのノーツからどこのノーツまでが300フレームあるか、とかそういう確認には使えない、ということになりますね。
つまり新札猫にあったDIVAに繋がってたPLANTECの録画機はtsで撮れる貴重な録画機だったのだ・・・。

なので、2回同じPVを録画しても微妙にタイミングがずれている、というのはむしろこういう可能性の方が高いですね。
分配器で2分岐して同時にキャプチャ2台で録画しても、同じ物は撮れません。

という、筐体差を検証する上で、ネット上に転がっている動画は当てにならないかもしれない、というお話でした。
まあそれはそれとして、現役超ガチ勢(たぶん)の方から筐体差に関する貴重な情報を多々頂いた(しかもこの辺の話題で説明が付くような内容では無い)ので、それはそれで近いうちにまとめます。前回書いた内容を遙かに超えるレベルで筐体差は存在するようです。まあ自分で解らないからなぁ。
ゴールデンウィーク中になんか進展できるかな。。。用事あるから無理かな。。。


・メモ(というか課題)
ホールド点の増加基準
遅COOL/早COOLの判定基準
そもそもポーリングは一定間隔なのか
2019.04.23 23:29 | 固定リンク | ミク | コメント (0)

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