プレイステーション2をバラす

ついに買ってしまったプレステ2。
しかも、何となく策略に嵌ったかの如くグランツ抱き合わせパック。
購入価格は38600円+税−13%ポイントバック≒35000円。DVDプレーヤーは持ってるからその機能は使われないことは明らかなんで、たかがゲーム機に35000円。しかも、事実上メモリーカードも買わざるを得ないので、+3500円。しかも、ゲームも買ったら4万円を超えてしまうと言う、何と言う高価なゲーム機。
まあ、世の中パソコンをゲーム機にしている人も多数いそうだし、それを考えれば・・・・(笑)。

と、いうわけで(何故?)、早速分解です。
ちなみに、分解するならメーカーの保証は受けられない覚悟でいましょう。もし壊してしまった場合、最悪の場合はメーカーの有償修理も受け付けてもらえない可能性があります。真似をしたい人は、自己責任でお願いします。
もし万が一、ここのページに明らかに不備があったとしても私を含め他の誰も責任は取ってくれません。
というラベルが、本体背面のちょうどトップカバーとボトムカバーの境目に貼ってありますね。
ラベルが一度はがされた製品は、保証期間の内外、有料無料等を問わず、一切の修理をお断りします。
と描かれています。

つまり・・・・・

もしこのラベルを剥がさないで分解するとどうなるのでしょうか。
確かに、説明書(5ページ)を読むと、分解をすると「火災や感電、けがの原因となる」「視力障害を起こす原因となる」と書かれています。故障の原因になるとは書かれていないので、分解しても壊れることは・・・・(笑)。
保証規定の方も見てみましょう。抜粋です。
・保証期間は”PlayStation2”本体のみ(付属品は除く)、お買いあげ日より1年間です。
・保証期間内に正常な使用状態(取扱説明書などの注意書に従った使用状態)で故障した場合には、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントにて無料修理させていただきます。
・保証期間内でも、下記の場合は有料修理とさせていただきます。
 1)保証書(外箱に記載)が無い場合。
 2)保証書に、お買い上げの年月日、お客様名、販売店印などが無い物
 3)保証書が本機の物と異なる場合、または本機の物と確認できない場合。
 4)使用上の誤り、当社製品及び当社が認めた製品以外の製品から受けた障害、他の機器から受けた障害
 5)お買いあげ後の移動、輸送、落下、液体や異物の混入などによる故障及び損傷
 6)火災、地震、風水害、落雷その他の天変地異、公害、塩害、異常電圧などによる故障及び損傷
 7)一般家庭外(例えば業務用)での使用による故障および損傷

・この製品の保証は日本国内においてのみ有効です。
 This warranty is valid only in Japan.

とまあ、こんな感じでなぜか分解、改造に関する記述は無い訳で・・・。
つまり、ラベルさえ剥がさなければ、分解は勝手にしろと?

そう、ラベルさえ剥がさなければ・・・・




剥がしていません!!
切っただけです。


・・・え〜、こんな屁理屈をソニー相手に押し通した方がいらっしゃいましたら是非ご連絡を(笑)


と、いうわけで、まあ、ゲーム機としての感想は以前書いたので適当に写真を。



・・・えと、見た目は全然初期型と変わりませんね。

USBコネクタの配置がちょっと違いますね。
全面の違いはこのくらいですね。放熱フィンとかもちょっと違う。背面はHDDを内蔵するためのスペースがあります。

・それでは本題
それでは分解するのにネジを外してみましょう。本体裏面に8カ所のネジがありますが、上から蓋が付いていて、ネジを隠しています(右の写真参照)。
写真の赤矢印の部分ですが、4隅だけゴム足、他はプラスチック製の蓋になっています。
この蓋を外して、矢印の8本のネジを外すと、トップカバーを外すことが出来ます。見れば気づきますが、ネジには長短の2種類があります。まさか間違えないとは思いますが、組み付け時に間違えないでください(笑)。
トップカバーを外す際には、ものすごく切れやすそうなフラットケーブルがありますので、注意してください。間違っても一気に引っ張ったりせずに、ゆっくりと外しましょう。
このケーブルの先には、リセット/イジェクトボタンの付いている部品が繋がっています。部品の後ろ側の方を持ち上げるようにするとケースから外すことができます。
この辺の作りは初期PS2にそっくりです。
これで、上蓋は完全に外すことが出来ます。
そうすると、でかいヒートシンクとDVDドライブが見えます。ディスクの押さえがはめ込み式になってて初期型よりコストダウンでしょうか?
次に、矢印のネジ3カ所を外しましょう。メモカのコネクタが外れてきます。また、ファンユニットも外れてきますが、電源スイッチやファンのケーブルなどが繋がっているのでまだ外すことは出来ないので無理な力がかからないように気をつけてください。
そうすると、本体下部のカバーを外すことができます。
本体裏面はこんな感じですね。写真だと右半分のシールドの中にも何か入っているように見えますが、実際には空です。その下にDVDドライブがあります。ここは、HDDの増設用スペースになっています。
左半分は電源ユニットです。相変わらず大きいです。
そろそろエクスパンションベイの蓋が邪魔になるので、今のうちに外しておきましょう。最初から外しておいた方が良かった様な気もしますが。
次に、電源基板を固定しているネジを4本外します。ここのネジは他の物と違うので後で間違わないように気をつけましょう。
あとは、電源基板についているコネクタを外します。本体左を見て、以下の写真の場所です。
そうすると、電源基板を垂直に持ち上げると、取り外すことができます。
メイン基板への電源供給コネクタが基板直付けなので若干固いです。固いからと言って無理に引っ張って割ったりしないでください。あくまで常識的な範囲で。
電源基板を取り外すと、右の写真の3つの部品を取り外す事ができます。透明な板もはまっているだけなので適当に取り出してください。
若干丸める様にして外すと、簡単に外す事ができます。
この3つの部品の位置関係は良く覚えて置いてください。というかたぶん、シールドは間違えないと思いますが、黒い板を付ける場所を後で悩むのではないかと・・・

これは、取り外した電源基板です。
ぱっと見、しっかりした作りのような気はしますが・・・。実際はどうなのでしょうか?
その後、厚いシールドを固定している小さなネジ9本を外します。DVDドライブの裏側中央あたりにあるネジ一本だけ種類が違うので、気をつけてください。
あと、以下の写真を参考に、電源コネクタ付近のファンのコネクタと、裏側のUSBコネクタ等がついている付近のネジ一本を外しましょう。
その後、3カ所の爪でDVDドライブにシールドが固定されているので、無理な力がかからないように注意して外します。相手はDVDドライブ、恐らくPS2で一番精密に出来ている部分でしょうから、狂いが発生したら一巻の終わりですよ。
そうすると、基板が見えます。
右の写真を参考に、コネクターを9カ所外してください。
単純に引っ張る物、爪を起こす物があるので、注意しましょう。
右下の茶色いフラットケーブル以外のフラットケーブルを止めてるコネクタは、すべて爪を起こしてからケーブルを抜きます。
コントローラー端子に繋がっているケーブルは、ピッチも細かく、切れやすいらしく、よく、「切れたんだけどどうしたらいい?」とか言うメールが来ます。
知ったこっちゃねー、ってな。(笑)。このページの上にも書いてる通り、誰も責任は取ってくれないので、そう言う困ったメールは送ってこないように!!。

間違っても、MOD CHIPの取り付けに失敗して起動しなくなったんだけど・・・・とか、USB MODってどうやって付けるんですか?とか、バカみたいなメールは送ってくるんじゃねーぞ。
MOD作れるくらいの知識ある奴ならそのくらい対処できるだろ。プログラムすら自作出来ないようなドシロウトは手を出す領域じゃないってのくらい最初から気付けってよ。

ま、そんなバカなお方々はどうでもいいとして、ここまで来ると、基板、シールド、DVDドライブが分離されます。
それでは、注目の基板を見てみましょう。
まずは中枢です。
写真にも書いてますが、左がエモーションエンジン、つまりCPUといった所でしょうか。
そして、右がグラフィックシンセサイザー、グラフィックチップのことですね。
EEの型番は、[CXD9615GB」、初期PS2では、「CXD9542GB」でしたので、何らかの変更が加えられているのでしょう。
表だった変更点としては、リモコン対応や、DVD再生機能の修正などがあげられていますが、これに関してはソフト面(BIOS)の修正だけで済むはずですので、CPUの変更とはならないはずです。
とすると、エラッタなどが発見され、修正されていると言うことでしょうか。そうならば、初期PS2で動作しないソフト、等というのも出てくるのかもしれませんね。
グランツー3やFFなどでそのような噂が出ましたが、あれは別件の様です。どうやら、今まで使っていなかった物を動かすと埃が貯まっていて読み込みの激しい(らしい)これらのソフトでは不具合が出る、という説がありますね。
これが正しいのかどうかは判断のしようがありませんが。

あと、基板の写真でエモーションエンジンの左側に2個縦に並んで付いている四角い物。
これが、RIMMメモリです。

インテルはRIMMを見放したとか諦めたとか色々噂なんだか本当なんだか解らない話が出てますが(笑)、PS2は最初からRIMMなんで今後もRIMMでしょう。

で、左の写真がそのRIMMです。なんか、写真だと傷が入っていてぼけていて見にくいですが、勘弁してください。

えっと、写真からだと非常に解りにくいのですが、SAMSUNG製です。

・・・初期PS2の物は東芝製でした。

・・・・・・なんか、えらくコストダウンと性能が落ちてる気がします(後者は気のせい??)

まあ、コストダウンは間違い無いんでしょうね。一体いくら変わるのか解りませんけど・・・

あと、特に基板上に敢えて特別つっこみを入れる場所(笑)は見あたりませんね。
いくらでもありそうな気もしますが。

と、言うわけで、次はDVDドライブの方をみてみましょう。

右の写真が取り外したDVDドライブです。
一見すると、初期PS2と変わりが無いように見えますが、実は全然違います。

初期PS2では、ドライブ自体に基板やICが乗っていて、それ単体がDVDドライブとして動作しそうな感じでしたが、こちらは、ピックアップやシーク、トレー制御用のモーターなどが乗っているだけで、そのための制御部と思われる物がありません。
つまり、旧PSのピックアップと何ら変わらなくなってしまった、と言うことです。もちろん、DVDが読めたりトレーが付いているので、互換性は全くないとは思いますが、構造的にDVDドライブと言うよりかはメカアッセンブリーと考えるのが妥当という意味です。
と言うことは、やはり、基板が減ったと言うことで、ここでもコスト削減が計られているのでしょうね。

それでは、さらに、このドライブを開けてみましょう。
ちなみに、ドライブは精密機器です。分解に自信のないひと、初心者の人(は、PS2なんぞ分解しないと思うが)はやめておくのが懸命です。万が一変な場所をいじると、最悪全くディスクを認識してくれなくなる可能性がものすごく高いです。
それでも、分解してみたい人は、ドライブのトップカバーの小ネジ4本を外しましょう。


えとっ、こんな感じです。特に何も面白い物はありません(笑)。
ふつ〜、の、ドライブです。
初期PS2との違いは、先ほど書いたとおり基板が乗ってない位です。


・・・これ以上分解するのは、さすがにやばいのでやめておきます。壊したく無いし。



・というわけで
作業終了です。以上、なんとなく35000版を開けてみました。
初期PS2との違いを並べてみると、こんな感じでしょうか。
・うざいシールが貼ってある(笑)
・HDD用スペースの確保
・はめ込みが増えた
・RIMMが東芝製からサムスン製へ
・ドライブ制御基板のメイン基板へ一体化
・基板の設置場所が本体下部から本体中央へ
ってな感じでしょうか。
初期PS2は39800円、新PS2単体は35000円(買ったのはグランツ3パックなのだが)。
メモカが3500円なんで、初期PS2からその値段を引くと36300円?。とすると、1300円の値下げと考えていいのかな?
RIMMが海外製になったのと、ドライブ制御基板が一体化されたのはコスト削減に大きな役割を果たしているでしょう。たぶん1300円分以上は。

ってことは、恐らく、ソニーの儲けは初期PS2より明らかに多くなっているでしょう。
今後も技術革新でコストダウンが謀られるのは明らかでしょう。まあ、当然ですね。
PC部品の値下がりを考えれば、ゲーム機の値下がりも納得でしょう。似たような技術ですし。仕方が無いでしょう。
高いと思いつつも買ったあなたは・・・・。その値段に納得しているんです。納得せずに買わされた訳ではないです。
というわけで、「値下げすんじゃね〜初期ユーザーなめとんのかソニー!!」とか文句を言うのは御法度です。
文句の言う箇所が違います。「初期ロット買ったんだから不具合有ったときに対処せや〜!!」と文句を言うべきでしょう。
VAIOのデバイスドライバとかはダウンロードさせるんだったら、ソフトのバグが発見されたときも対処しろ、とか。
どのメーカの作ったソフトもソニーのライセンス品なんだから、サードパーティーソフトの不具合もきちんと処理しろ、とか。
まあ、他に文句の付け所はたくさんあります。ええ、誰か文句言ってやってください。



P.S.(プレステではなく追記)
なんで色差接続ケーブルはソニー純正で出てるのに、D端子ケーブルは無いんだろうか。
あやしいサードパーティから出てるけど、純正のRGBケーブルで繋ぐより画質がものすごく悪そうだし(笑)。

しゃーないから自分で作ってみるか。

・・・でも、やっぱり自分で作ると画質悪そうだなあ(笑)。
だいたい、D端子なんて売ってるの見たこと無いし、ピン配置だって知らないぞ。

じゃ、D端子→色差接続ケーブルでも買ってきて、マルチアウトから短い変換コネクタでも作ってみるか。
ま、マルチアウトのRGB端子をYCbCrに使ってるだけだろうから、簡単に作れるだろう。



・・・・終了〜〜。(写真参照)



・・・・・・劇的に綺麗な訳ではないぞ。うぐぅ。

追加 02年02月12日
先日、「俺もPS2バラしたぞ」って方から、スバラシイ写真をいただきました。
掲載許可もいただきましたので、ここに転載させていただきます。
※画像をクリックすると拡大表示されます

いや、見事です。エモーションエンジン(左)とグラフィックシンセサイザー(右)がバラされてます。
真ん中は削れてしまった、と言うことでした。

普通じゃ見れませんよ、こんな写真(笑)

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裕之  
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