NTSCの基礎(?)知識
基礎の基礎、これ位は知ってるでしょ?

まずNTSCとは何でしょう。これが解らないとそもそもお話になりません。
NTSCとは、映像信号の規格です。
普通のテレビで見ている映像は、その殆どがNTSCです。ハイビジョンなどは別ですが。
ちなみに、外国に行くと、NTSCではなく別の方式の国もあります(PALとか)。
ここでは国内の普通のテレビ限定です。プログレッシブなどは別ですので。


テレビ画面というのは、「走査線」という、横方向の線が縦に483〜485本集まって構成されています。
イメージ的にはこんな感じですね。テレビに近づいて見ると、物によっては線が見える場合もあります。
そして、この走査線は、一つの点(色が変わる)が、左から右に動く事で描かれています。残像現象で線に見えているだけです。
点は一つですよ。縦に点が483個有るわけではないです。
この様な感じで、左→右、上→下と、一つの点が画面上を走っていきます。それが残像として、1枚の画面として見えている訳です。この、点が動いていく現象を「走査」といいます。走査して線を書くので、「走査線」と言うわけです。
ちなみに、右から左に戻る時(図の斜め矢印)は、絵は何も書きませんが、実際には少し時間がかかります。
このように、点が左上から右下までの走査を終えて1画面を構成するのには、1/30秒の時間がかかります(注:厳密には1/30秒では無い)。つまり、1秒間に30枚の静止画を見ることで、それが動いているように見えているのです。

これで、画面の構成については解ったかと思います。

ちなみに、単純比較すると、普通の映画やアニメ(つまりフィルム撮影物)だと、1秒間の枚数は24枚になっています。
しかし、30枚と24枚なので、テレビの方が6枚ほど多く、なめらかな動きになると考えれますが、実際にはそうではありません。
映写機という物を見たことがある人なら解ると思いますが、フィルム投影だと、1枚の映像は一瞬で表示されます。それに対し、テレビ放送(走査線方式)では、1枚の画像を表示するのに、30分の1秒の時間がかかります。
この、1/24〜1/30秒というのは、とても絶妙な枚数で、フィルム投影式の1/24秒だとほぼちらつきは気にならない物の、走査線方式の1/30秒というのは、ちらついて感じます。
それならば、テレビの画面書き換えの速度をもっと早くすればいいのですが、それには様々な(電波の制約の都合が大きい)問題があります。
そこで、インターレースという方式が考えられました。
あんまり変わらない図が2つ並んでますが、まず、左の図をみてください。
先に書いた図と比べると、走査線の本数が半分になっています。これは、縦方向の走査線の本数を減らすことで、画面書き換えの速度を速くしようという事です。
もちろん、本数が半分になっているので、書き換え速度は半分の1/60秒になります。
こうすることで、事実上、テレビ画面は1秒間あたり、60枚の画像で構成され、ちらつきが減ります。

しかし、そうすると、当然縦方向の解像度が悪くなってしまいます。今度は、左と右の図を見比べてください。
左の図が表示(走査が終わる)されたあと、今度は、右の図が表示されます。
そこで、その問題を解決するために、図のように最初は奇数番目、次に偶数番目という様に交互に走査します。そうすると、元の解像度を見かけ上維持したまま、画面の書き換え速度を速くすることができます。
この様に、交互に走査する方式を、「インターレース」と言います。
半分の走査線本数で構成されている静止画を「フィールド」と言い、フィールドが2枚で「フレーム」と呼びます。特に、奇数ラインのフィールドを「ODDフィールド」、偶数ラインのフィールドを「EVENフィールド」と言います。

ただし、この方法だと、主に静止部分の多い画像を表示する場合は、1/60秒単位で画像が若干上下にぶれるという問題点があります。そのため、PCモニターなどではインターレース方式は採用されていません。


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裕之  
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