GD-ROMを吸い出す?!

さてさて、突然ですがGD-ROMです。噂のDreamcastです。
プレステ2をバラしたのなら、ドリームキャストもやるべきかな〜、と思いつつ、うちのドリキャスはS端子、AV端子にVGA端子、NTSC−RGB出力、さらには、デジタルオーディオなど、これ以上はないっていう位にコネクターがあの狭いドリキャスの背面に付いていて、とても分解写真が撮れる状態ではない(笑)ので、やや方向性が変わってこんなことになりました。

まず、結果です。読み出しは可能でした。ただし、今、うちの環境で可能なのは、ドライブの都合上、99分59秒74までという制限が付いています。

嘘か本当か、ドリームキャストに入れると、GD−ROMは約122分と認識します。どうやら、これは本当の実容量っぽいです。つまり、うちでは約23分=200Mのデータが読み込めないんですね。残念。

それでは、まず、GD−ROMを眺めてみましょう。
左上半分は着色がしてありますが、GD−ROMの裏側です。DCを持っている人なら、当然見たことはありますよね?大きさはCDと同じですね。


まず、これがどんな構造になっているのかを見てみます。

写真中央の黒く写っている部分。ここにはデーターは書かれていません。単なる反射膜です。
もしかしたら書かれているのかも知れませんが、普通のCD−ROMドライブでは読み込めませんし、読む必要もありませんね。この場所は、普通のCDでは透明になっているディスクもありますし。

次に、ややわかりにくいですが、その外側の黄色く着色してある部分。データーフォーマットは、MODE1とCDDA。きわめて普通ですね。
これは、普通のCDとの互換性の為に作られていると思われる部分です。
CD−ROMドライブに入れたときに、著作権のテキストや、場合によってはおまけファイルなどが入っている領域と、警告メッセージの音声データーが入っている部分です。
ゲームによって、容量は違います。
この外側の部分(緑色部分との隙間)は、空き領域です。何も入っていません。

次に、緑色部分です。データーフォーマットは、MODE2/form2。コピープロテクト用とか色々噂はありますが、実際の所はどうなんでしょうねぇ。そもそもGD−ROMはCDR等でコピーはできませんし、かといって、CDRで動くように容量などが削ってあるゲームが違法ページにおいてあるのも現状です。しかも、それらのソフトは通常のCDRで起動ができてしまうとか。
こうなってくると、コピープロテクトの意味ってありませんよね。MIL−CDなど、CD−EXTRAからの起動ができる様な構造になっているためなのでしょうが、なぜ、CDにはコピープロテクトをかけてこなかったのでしょう。とても疑問です。
で、結局、この部分は何のためにあるのかは謎ですが、とりあえず、普通には読み込めません。セクターにすると、約24950〜38670です。この、約、というのは何故か、というと、ディスクによって違いがあるからです。モードが切り替わる境目が、ドライブで正確に認識できないためなのかも知れませんが、とりあえず、まちまちでした。ここに浮かび上がるSEGAのロゴ、これも、実はデータなんですね。
ちなみに、サターンリングと名付けられている、サターンのゲームの最外周にある似たような物も、全く同一の構造です。SEGAのロゴをピックアップで読みとっている、という噂もありましたが、実際の所はデーターを読んでいるだけなんですね。まあ、サターンはSEGAロゴのぎりぎり内側あたりを読みとっていましたが…。
ドリキャスにしろ、サターンにしろ、SEGAロゴはデータ上たまたま人の目にはそのように見える、というような物でしょうか。
かといって、このデータを同じ場所にCDRに書き込んでも、SEGAロゴは浮かび上がったりはしませんでしたが…。

そして、最外周の、青色部分です。データーフォーマットは、MODE1。ただし、ここは倍密領域です。これがGD−ROMの大容量(?)を実現している場所ですね。MODE2で容量を稼いでいるとか、そんな噂もありましたが、たぶん、ドリキャス用CDがMODE2で書かれているために発生した噂だと思います。純粋なMODE1です。ただし、トラックの線速度が普通のCDとは全然違います。正確に計った訳ではありませんが、半分程度です。つまり、単位長さあたりにデーターが約2倍入るんですね。
構造的に言うと、99分CDRなどが更に拡張された様な感じでしょうか。
一応知らない人のために解説をすると、CDのデーターは一般的なディスクメディアとは違い、螺旋状に記録されています。途切れてはいません(GD−ROMの場合、ドリキャスリング(勝手に命名)のあたりで途切れてると思いますが)。
開始セクターは45000。ここから、全く普通のISO9660と同じフォーマットでデーターが記録されています。
つまり、ディレクトリ領域は、45016あたりから始まります。この辺はISO9660の規格が解れば、簡単に解るのですが、実は私は詳しいISO9660の規格を知りません(笑)。どこをディレクトリ領域と呼ぶのかや、そもそもそんな名前なのかすら知りません。まあ、45016セクターに、ルートディレクトリのあるセクター番号が書かれてるんですね。この辺は、普通のCDでは16セクター、22セクターなどとの対応です。
ちなみに、CDの読み込みソフト(CDエクステンションとか)にパッチを当てて、16セクターを読み込むところを45016セクターを読み込ませるようにすると、普通にGD内部のファイルがアクセスできます。まあ、それ以前の問題として、ドリキャスリング以降のデーターを読めるようにしないとダメですが。
ただ、普通のISO9660との違いとして、ファイルの内容は外周から書かれている、という事が挙げられるでしょうか。
これは、ドリキャス特有(特有でもないか…)のCAV方式からでしょう。CAV方式では、ディスクの最外周が一番読み込み速度が速くなります。そのため、データーを外周に持っていくと、全体的に読み込み速度の向上ができます。
普通、音楽CDプレーヤーはCLV方式で、パソコン用CD−ROMドライブはCAV方式を採用しています。パソコン、ドリキャスなどで、読みとり速度の表示が「最大xx倍速」と書かれているのは、そのためです。
つまり、倍密部は最内周にディレクトリなどの情報、外周からデータ、その中間は空き領域となっています。そのため、どのゲームでもGDの収録時間が同じなのです。

えーと、あと、読んでいる人が一番気になっていると思う、「どうやってGDの外周部を読むの?」という疑問。
これ、答えてしまうと、違法コピーが蔓延しそうなので一応やめておきます。欲しいソフトは買いましょうね。
まあ、書いても、100分以降のデーターが読めないうえ、GDは外周からデーターが書いてあるので、絶対に読めないファイルがでてくるのでコピーなどはできませんが‥‥。
少し書いておくと、読み込みに使ったのは、NEC製CD−ROMドライブ、CDR−1410Aです。型番がCDRっぽいですが、普通のCD−ROMドライブです。8倍速です。時代を感じてください(笑)。
壊れても惜しくないので、ちょっといじってみると、読めるようになりました。

音声、ムービーなどは吸い出して遊べました。ドリキャスの音声形式は、サターンなどのADXと同じ。また、大半のゲームのムービーは普通のMPEG1なのですが、音声だけADXになっています。
MPEGを映像とADXに分解し、音声をMP2に変更後、再び映像と結合すると、普通のMPEGとして再生できます。
ただ、AVI形式のゲームもありました。TRUE MOTIONと書かれていましたがサターンのそれとは互換性は無いようです。
ハドソンの某ゲームです。windowsCEです。ディスク内は、DLLファイルが大量に入っていました(笑)。
もしかして、DLLファイルを持ってきてCEの機械にいれると、そのまま見れるようになったりするのかも知れませんね。

今のところ、プレステ2はあえて欲しいとは思いませんが、ドリキャスは発売日に買いました。それほど欲しかったゲーム機です。
ゲーム機はソフトが命です。なんとなく、プレステ2はこれと言って欲しいゲームが無いので…。
リモコン付きとかになりましたが、安くなる様子も無いみたいですし‥‥。
3万円まで下がったら欲しいとは思いますけどね。既にDVDプレーヤーを持っている身としては、べつにDVDが見れるというのも何の得とも感じませんし。

当分はドリキャス一本でしょうか。っていっても、そもそもゲームはあまり遊ばないんですけどね。

追加情報 01/6/30
ドリームキャストとパソコンを自作ケーブルで接続し、ドリームキャスト上で自作ソフトを動作させるという試みを行っているホームページが有りました。
私も試してみましたが、実際に、ドリームキャスト上で自作ソフトを動作させることができました。また、その応用として、GD−ROMの全てのデーターの読み込みも可能でした。
敢えてリンク等は張りませんが、興味のある方は探してみてはいかがでしょうか。

感想、要望、バグ報告、その他何かありましたら、メールもしくは掲示板にてご連絡ください。
ただし、どうやってGDを読むの、と言う質問は不可。
裕之  
ホームに戻る