F接栓コネクタの加工

通称F型コネクタって奴です。一般的にアンテナ線のコネクタです。

こんなやつですね。テレビとかに付いてるやつです。

これ、5C-FBとかのいいケーブルとコネクタを使うと、結構画質改善になりますよ。
ねじ込みのコネクタは信頼性も大きいです。

とはいうものの、このタイプのコネクタが付いたアンテナ線って、既製品だと結構高いんですよね。
ところが、作ってしまうと、かなり格安で作れます。コネクタが2個で数百円、ケーブルも1メートルでも100円くらいでしょう。
家電販売店で一個とかでコネクタを買うとちょっと高い(それでも既製品よりはかなり安い)ですが、電子部品屋とかだと安いですよ。
しかしですね、結構難しいんですよ。慣れれば何ともないんですけど。
あんまり親切なマニュアルってのも見たことは無いので、ちょっとまとめてみました。

でも、これって本当は口伝で伝える物なんですよ(笑)。
出来る人に目の前で教えて貰うのが一番なんですよね。私もそうでしたし。

と言うわけで、どれだけ伝わるかは解らないんですけど、なるべく丁寧に解説してみようと思います。
先にざっと読んで、流れを把握しておいたほうがやりやすいとおもいます。


・用意する物

 @熱収縮チューブ 直径10mm(ケーブルの太さに合わせる。これは5Cの場合)
 AF接栓コネクタ 2組 (かしめリングと本体で1組、太さが色々あるのでケーブルに合わせる)
 B同軸ケーブル (ここの例では5C-FBを使用)

・用意する工具
 普通のペンチ(安いのでいい、と思う)
 普通のカッター(アルミ箔とか銅線とか切っても勿体なくない安いやつ、もしくは、切っても大丈夫な立派なやつ)
 普通のライター(私は非喫煙者なので工具箱に入ってます。箱に詰め込んでおくといつの間にかガスが無くなってたり。怖っ)
 普通のニッパー(まぁ、無くても別にできるけど)


ではまず5C-FBの構造です。

と、なってます。5C-FB以外(5C-2Vなど)だと、3のアルミ箔がありません。


では加工を始めましょう。
まずケーブルの外皮を剥きます。

先端から2〜3センチ程度の所に、緑矢印の様にカッターで一周切れ込みを入れましょう。
あみ線には傷を付けないようにしてください。まあこれが難関なんですけどね。
あとは、線に対して直角に切ってください。
※悪い例


切れ込みを入れるとこんな感じです(かなり誇張写真)

で、このまま、外皮をペンチで引っ張ると外皮だけが抜けてきます。ちなみにこれもちょっと難しい。
中のあみ線がぐちゃぐちゃになるので、引っ張るときには絶対にねじらないで真っ直ぐに引っ張ること!
一緒にあみ線まで付いてきたりしたら失敗。

きれいに取れたらこんな感じ。とった外皮は使わないので捨てちゃいましょう。


さて次は、出てきたあみ線を裏返します。たぶん最大の難関です。
写真をよーく見てください。

ぐにゅっとあみ線を後ろに押します。とても文章じゃ説明できないコツがありますけど。
これはやっぱり数をこなすしか・・・・
ちなみに、失敗した場合は、元に戻すのも難しいですよ。


途中経過


完成形


注意点としては、折り返すときにはひげ線一本残らず綺麗に折り返すこと。
一本だけでも残ってると後々心線にショートとかしますから。

ちなみに、ここは、流儀によって(?)、あみ線を長く残す人と、1ミリくらいしか残さない人がいるようです。
まぁ、どうしても上手く折り返せないって人は、折り返す前にあみ線を1ミリ短く切ってしまっても良いのですが、 そうするとコネクタの隙間からあみ線の端がでてきて、繋ぐときに手にささったりしますよ・・・。

ここまで無事にこれたらあとはそんなに難しくは無いです。
次は、アルミ箔と絶縁体に切り込みを入れます。

折り返し箇所から5ミリくらいの所(赤線の場所)に切り込みをいれます。
最初の外皮と同じように、緑矢印の様にカッターで一周切り込みを入れましょう。そのとき、心線には傷を付けないように気をつけましょう。
ただし、今回は心線ギリギリまで切り込みを入れる必要はありません(入れても問題ありませんが)
絶縁体の中ほどまで切り込みが入れば問題ありません。

これが切り込みを入れた状態(かなり誇張、というか既に切り離してるし)。

切れ込みが入ったら、アルミ箔は普通に剥がれます。
絶縁体は、ねじ切るような感じで引っ張れば上手く取れるでしょう。
で、そのままアルミ箔と絶縁体を外してしまいます。これも捨てちゃって問題ありません。

ではここで新たな物が登場します。


左から、「かしめリング」「熱収縮チューブ」「コネクタ本体」です
かしめリングは今ここでケーブルに通しておきましょう。忘れると、ケーブルの反対側からでも入れれますけど・・・・。
既に反対側にコネクタ付いてたら当然無理ですから。
あと、熱収縮チューブ。長さは、折り返したあみ線よりちょっと長いくらいにしましょう。

こんな感じに組み立てます。

熱収縮チューブであみ線を覆うときは、あまりあみ線部が出ないようにしておきましょう
微調整するときに熱収縮チューブは後ろにはずらせますが、コネクタ側に戻すのはけっこう難しいので。
アルミ箔と絶縁体は、図の赤矢印の様にぴったりコネクタの内側に入ります。
アルミ箔を綺麗に入れるのはちょっと難しいかも。綺麗に延ばしてからゆっくり慎重にやれば問題なくできるはず。
まあ、、、ぐちゃっとつぶれて無理矢理押し込んでも大丈夫ですけどね。出来れば綺麗に作りましょう。
そして、根本までしっかり差し込みます。あみ線とアルミ箔の隙間にコネクタがささります。

上手く入るとこんな感じです。

図の赤矢印のあみ線を折り返した場所が、ちゃんとコネクタにくっついているか確認しましょう。
離れている様なら、もっと根本まで差し込みます。
あと、あみ線の露出部をかしめリングの幅とほぼ同じ(か、ちょっと多め)にしましょう。
さっきも書きましたけど、熱収縮チューブをコネクタ側に戻すのとあみ線がぐちゃぐちゃになりますので気をつけて。

位置を決めたら、ライターであぶります。100円ライターより、ターボライターの方がやりやすいかも。

かしめリングは邪魔なので、どっかに後ろの方によけておきましょう。
あぶりすぎて焦がしたりしないように。
あと、変なところをあぶると、コネクターが熱くなって中で線が溶けてたり、火傷したりします。
ちゃんと熱収縮チューブだけをあぶりましょう。

その後、かしめリングをあみ線の場所に持ってきて・・・・


金具の端をぺちゃっと潰します。

だいたい、この金具は正円じゃなく、どこかが出っ張ってたり、
潰しやすいような形になってるはずなので、そこを潰しましょう。
正円の場合は、一旦ちょっと楕円になるように潰して、その後に端を潰すとやりやすいです。

はい、ほぼ完成です。


あとは長い心線を切るだけです。
長さは、コネクタの端から1ミリくらいはみ出すようにしましょう。


切るときは、切断面を斜めに切りましょう。



完成形


以上で、F接栓コネクタの加工は終わりです。
とはいうものの、大抵、加工するときは2回セットなんですけど。

とりあえず、アンテナ線の交換は(環境にもよりますけど)結構効果大です。
特にノイズを多く出す機器(PCとかデジタルAV家電とか。。。。だめじゃん)の付近を通す配線とかは、
きちっとしたケーブルを使うことでノイズが激減したりします。

しかし、きちっとケーブル加工ができないと、逆に悪化したりしますけど。

ちなみに、慣れないと・・・・、一個作るのに30分以上かかるかもしれませんね。
そうなると、技術習得として頑張りたいとか、時間が余ってて金が無い人以外は、既製品を買うのがもしかしたら得策かも。
あと、たとえば引っ越しとか、配置換えとかで大量にアンテナ線を作る必要があるときとかは、
20mとか50mとかのケーブルを買ってきて自分で作っちゃうとかなり安いですよ。
あとは長さが好きにできるとか。無駄に長いケーブルはノイズ拾う原因ですし。
まあ、ちょっと労力を割いてでも作る価値はありって事です。


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裕之  
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